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人間中心設計(HCD)とUX、デザイン思考の違い

人間中心設計(HCD)に関して、その意味と、UX、デザイン思考、UCDなどとの違いを解説します

HATLUSH Editor

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HATLUSH Inc.の外部エディターです。サービスデザインをする際に必要な知識をベースに、厳選したテーマの記事をライティングしてお届けします。

人間中心設計(HCD)とは

HCD(Human Centered Design)という用語は頻繁に使用されるようになりましたが、その一方でその意味を正確に理解しておらず、UXやデザイン思考などの用語と混同している方も多いように思われます。ここでは、まず初めにHCD、UX、デザイン思考の違いを明確にしておきましょう。

HCDとは日本語で「人間中心設計」といわれることもあります。この用語が使用されるのは主に製品・サービスの開発プロセスにおいてであり、体系化したそのプロセスの中心に人間の要求を据えることをHCDと呼びます。そのため、製品・サービスを通したユーザの体験を意味するUXとは根本的に異質のものであるといえます。

一方でデザイン思考は、「共感」、「問題定義」、「創造」、「プロトタイプ」、「テスト」の5つの要素から体系化される製品・サービスの開発段階における問題解決のプロセスを意味します。基本的な考え方はHCDと共通する部分もありますが、その中心における人間の要求についての有無は決定的な違いといえます。

・HCDとUCDの違い
UCDは「ユーザ中心設計」と呼ばれることもあり、その内容はHCDとほぼ同じであると説明されることも少なくありません。しかしながら、その提唱時期はUCDのほうが古く、UCDを土台として発案・提唱されたのがHCDと考えると分かりやすいでしょう。

デザイン思考とは

前項で少し触れていますが、ここでは補足を含めてより具体的な解説をしていきます。

まず根本的なこととして製品・サービスの開発においては、「製品・サービス自体の問題の発見」、「ユーザ側から見た課題の発見」、「解決策の発案」、「解決策のテスト」の4つの作業を反復して行うことが基本的な手順となります。デザイン思考の場合は、この手順をさらに細分化し、上述した「共感」、「問題定義」、「創造」、「プロトタイプ」、「テスト」の5つの段階に分け、プロセスを体系化します。

HCDの場合は、このプロセスの中心に人間の要求を据えるのに対し、デザイン思考ではプロセス全体のバランスを考えた「設計」を据え、各々の作業を実行します。そのため、デザイン思考の「デザイン」とは、製品の形状や色を指すのではなく、開発プロセスの「設計」を意味すると捉えると分かりやすくなります。

UXとは

UXに関しても上述しましたが、ここでは、その本質的な部分に関して、さらに詳しく解説していきます。

UXとは「User Experience」の略であり、製品・サービスを通してユーザが体験するすべてのことをUXと呼びます。例えばECサイトにおいては、商品をカートに入れ決済をすることや、購入した商品が手元に届くことなどが、そのECサイトにおけるUXとなります。この概念は対象とする事物の幅が広いことから、若干イメージはしづらいですが、とにかく幅広い事物を指すと認識しておくと全体像のイメージもしやすくなります。

また、UXには操作性や認知性だけでなく、感情にも大きく関係する側面を持つという特徴があります。そのため、製品・サービスを通して体験することだけでなく、その体験を通して実感した満足感や不満などもUXを構成する要素のひとつと認識する必要があります。

本質を見極めて実務に活用しましょう

ここではHCDとUCD、UX、デザイン思考それぞれの違いについて解説しました。昨今ではUXという用語に関しては広く認知されるようになりましたが、より発展的なHCDやUCD、デザイン思考などの用語に関しては、依然として認知度が低い状態が続いています。そのため、これらの本質に関して正確に理解していない方も多く、そのことが各々の意味の混同につながっていると考えることもできます。

しかしながら、これらの概念は製品・サービスの開発において非常に重要となるため、各々の本質をしっかりと見極めるだけでなく、実務における活用を反復して行うことも通して、その考え方に対する理解を深めていく必要がありそうです。


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